まずは、ダウの犬についてのおさらいです。
ダウの犬
毎年年末、ダウ・ジョーンズ工業株平均(ダウ30種)から配当利回りが特に高い10銘柄を選んで同じ金額だけ購入して1年保有し、翌年末にはまた10銘柄をリストアップし、新たに加わった銘柄を購入して外れた銘柄は売却する、ということを繰り返していく投資方法
ダウの犬などの構成銘柄ごとの2017年のリターン
それでは、2017年のダウの犬などの構成銘柄のリターンを見ていきましょう。
ダウの犬などとの比較対象となるダウ平均の2017年のリターンは25.25%、配当込みのリターンは27.72%となっています。
そして、S&P500(VOO)のリターンは19.47%、配当込みのリターンは21.60%となっており、VTIのリターンは19.02%、配当込みのリターンは21.05%です。
米国株の1900年から2003年までの平均実質リターンは年平均で約6.5%ですから、2017年はこれをはるかに上回る年だったことになります。
上の表では、ダウ平均(DIA)のリターンを下回った銘柄は赤字、上回った銘柄は青字になっており、リターンがマイナスだった銘柄は、赤の塗りつぶしにしています。
それぞれの投資方法のうち、ダウ平均(DIA)のリターンを上回った銘柄数は以下のとおりとなっています。
- ダウの犬 3銘柄
- S&P10種 1銘柄
- ダウコア10種 4銘柄
- S&Pコア10種 1銘柄
全ての投資方法で、過半数の銘柄がダウ平均のリターンを下回る結果になってしまいました。
続いて、配当込みのリターンが高かった上位5銘柄を見てみます。
- BA(ボーイング) +93.08%
- CAT(キャタピラー) +73.26%
- ABBV(アッヴィ) +58.53%
- WMT(ウォルマート) +45.82%
- MCD(マクドナルド) +44.55%
ダウの犬などの投資方法ごとの2017年のリターン
それでは、お待ちかねの、2017年におけるダウの犬、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種のリターンはこちらです。
この表を見ると、2017年のダウの犬の配当込みのリターンは23.09%、S&P10種の配当込みのリターンは11.99%、S&Pコア10種は11.98%となっており、ダウ平均(DIA)のリターン27.72%を下回っています。
一方で、ダウ・コア10種は29.56%となっており、ダウ平均(DIA)のリターン27.72%を上回っています。
ダウの犬などに関する雑感
ダウの犬は、上のグラフのように、2003年から2017年までの15年間で4度しかダウ平均に負けていませんでしたが、2017年は、ダウの犬がダウ平均を下回る結果となってしまいました。
また、2017年は、ダウの犬などのうち、過半数を超える銘柄がダウ平均を下回るリターンとなっています。
その一方で、ボーイングなどのリターンが大きい銘柄でその分を補うことで、かろうじてダウ・コア10種がダウ平均を上回るリターンとなっています。
このように、ダウの犬戦略は、ダウ平均に負ける年もありますし、ボーイングなどのリターンが大きい銘柄がたまたま入っていなかった場合の危険性もあります。
このようなリスクなどを考えると、ダウの犬戦略にこだわるのではなく、ダウ平均(DIA)やS&P500(VOO)、VTIへの投資でもよいのではないかと思いました。
このようなリスクなどを考えると、ダウの犬戦略にこだわるのではなく、ダウ平均(DIA)やS&P500(VOO)、VTIへの投資でもよいのではないかと思いました。
今日のまとめ
- 2017年版ダウの犬戦略のリターンは、ダウ平均を下回った。
- 様々なリスクを考えると、ダウの犬戦略にこだわらず、DIAやVOO、VTIへの投資でもよいのではないか。