2018年1月10日から、楽天バンガード・ファンドに、「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」が加わります。
2017年12月23日に「楽天・全米株式インデックス・ファンド」などが追加されましたが、来年1月にも、新たなファンドが追加されることになりました。
今回は、この「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」について紹介したいと思います。
「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」とは
この商品は、バンガードが運用する「バンガード®・米国高配当株式ETF」(=VYM)に投資して、高配当利回りの米国企業のインデックスの動きに連動する投資成果を目指すものです。
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の目論見書を引用して、その仕組みを紹介します。
大ざっぱではありますが、「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」とは、この図の右から2番目の青い部分が、「バンガード®・米国高配当株式ETF」(=VYM)に変わったものになります。
この図のように、「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」は、「バンガード®・米国高配当株式ETF」(=VYM)を通して、米国高配当株式への投資を行います。
バンガード®・米国高配当株式ETF(VYM)とは
このVYMという商品も、以前に何度か紹介したVTIと同様に、シーゲル教授の推奨ポートフォリオに含まれていた商品です。
VYMは、米国株の大型株の中でも、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組入れた商品となっています。
VYMに組み入れられている上位銘柄は以下のとおりです。配当利回りは、12月30日時点のものとなっています。
このようなVYMに投資することで、1つの高配当企業に投資するよりも、リスクを分散して高配当を得て、それをさらに投資する、という戦略が取れるわけです。
配当再投資を行って複利効果を狙うものなので、長期投資とは相性がいいことになります。
なお、本家VYMについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)のメリット
ここまで読んでいると、直接VYMを購入した方がいいのでは?と思う方もいるかもしれません。
確かに、楽天VYMは、VYMと異なり、間に楽天バンガード・ファンドが入っているので、そこに支払う信託報酬手数料分の費用が増えてしまう等のデメリットもあります。
具体的には、楽天VYMの信託報酬手数料は0.2096%、VYMの信託報酬手数料は0.08%となっており、楽天VYMの方が0.1296%も手数料が増えてしまいます。
しかし、楽天VYMにも、本家VYMにはない、以下のようなメリットがあります。
- 配当再投資が自動で行われる。
- 購入手数料がかからない。
- 金額を指定して購入することができる。
1については、楽天VYMの場合は、VYMと異なり、配当金から米国での税金10%が差し引かれたのち、残った資金で自動的に楽天VYMを購入し、配当再投資が行われます。
VYMの場合は、配当金から米国での税金10%と日本での税金20%が差し引かれ、日本分の税金を確定申告等で取り戻したのちに、自分でVYMなどを購入し、再投資を行わなければなりません。
このような手間を自動で行ってもらえることを考えると、手数料の増加分を考えても、楽天VYMを選択するメリットはあると言えるのではないでしょうか。
2については、VYMを直接購入する場合は、購入金額の0.45%(下限5ドル、上限20ドル)の購入手数料が掛かってしまいます。(NISA口座除く)
楽天VYMを購入する場合には、このような購入手数料が掛からないので、この点は、楽天VYMを選択するメリットと言えます。
3については、楽天VYMであれば、VYMと異なり、毎月の投資予定金額を余すことなく投資に回すことができます。
例えば、毎月1万円を投資資金に充てている場合を考えてみます。
VYMは12月30日時点で85.63ドルとなっているので、1ドル110円として、VYMを1単位(9,419円)購入し、581円は余ってしまいます。(=581円については運用益が得られなくなる)
一方で、楽天VYMの場合は、1万円分の楽天VYMを指定して購入することができます。
以上を考えてみると、本家VYMではなく楽天VYMを選択するメリットもあるのではないでしょうか。
楽天VYMについては、つみたてNISAやiDeCoのラインアップに加わるかどうか等、今後の楽天バンガード・ファンドからのお知らせ等を注視したいと思います。
今日のまとめ
- 2018年1月10日から、楽天バンガード・ファンドに「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」(楽天VYM)が追加される。
- 本家VYMと比較しても、楽天VYMを選択するメリットはありそう。
- 楽天VYMについては、つみたてNISAやiDeCoのラインアップに加わるかどうか注視する。