2017年版ダウの犬、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種の紹介

by:falco500
前回、2017年の資産運用方針として、基本的にETFを中心にシーゲルの推奨するポートフォリオを目指していくことについて述べ、それに加えてマンネリ化防止のために個別株も検討すると述べました。

今回は、個別株の選択方法として検討している「ダウの犬」と呼ばれる投資方法について説明し、その亜種である「S&P10種」、「ダウ・コア10種」や「S&Pコア10種」についても説明していきたいと思います。

※ブログを更新し、2017年終了時のダウの犬戦略などのリターンを掲載しました。




「ダウの犬」とは


「ダウの犬」
毎年年末、ダウ・ジョーンズ工業株平均(ダウ30種)から配当利回りが特に高い10銘柄を選んで同じ金額だけ購入して1年保有し、翌年末にはまた10銘柄をリストアップし、新たに加わった銘柄を購入して外れた銘柄は売却する、ということを繰り返していく投資方法
前回、個人投資家は市場平均と連動したインデックス投資を行えば必要十分であることを述べましたが、この「ダウの犬」投資方法は、ダウ平均やS&P500といった市場平均より高いリターンが得られる年が多いというデータがあります。

下の図は、ウォールストリート・ジャーナルに掲載されていたダウの犬(青色)とダウ平均(黄色)とのリターンの比較です。

ウォールストリート・ジャーナルより

このグラフを見ると、ダウの犬は2003年から2017年までの15年間で4度しかダウ平均に負けていません。

リターンが高い理由としては、高い配当収入が得られることに加え、配当利回りが高いということは人気がなく必要以上に株価が下がっている割安株の可能性が高く、今後株価が上昇する可能性が高いことなどが挙げられます。

「ダウの犬」は、1年に一度だけ銘柄のリストアップを行えばよいことと、高いリターンが得られること、そして、ダウ30種というアメリカの中でも信頼性のある大企業の株を購入するということで、人気がある投資方法の1つです。


S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種


「ダウの犬」の亜種として、「S&P10種」、「ダウ・コア10種」、や「S&Pコア10種」というものがあります。

「S&P10種」とは、ダウではなくS&P500の時価総額上位100銘柄から、配当利回りが特に高い10銘柄を選択する方法です。



そして、「ダウ・コア10種」、や「S&Pコア10種」とは、過去15年間に一度も配当を減らしたことのないそれぞれの構成銘柄から、配当利回りが特に高い10銘柄を選択する方法です。

15年という期間の中では、一度は景気が後退する時期があったはずです。
個人的には、こうした期間も配当を減らしたことのないコア10種の銘柄の方が、より信頼性があり投資対象としては安心できるように思います。


2017年版ダウの犬、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種の銘柄リスト


2017年版のそれぞれのリストを作成してみました。2016年末のデータについてはYahoo!finance、ここここのサイトから取得しました。

S&P
10種
S&P
コア
10種
ダウ
10種
ダウ
コア
10種
ティッカー名称配当連続
増配
年数
直近
3年の
増配率
99年
~16年
増配率
PER
1FFord Motor4.91414.5-6.7
21TAT&T Inc4.59332.24.218.09
3PMPhilip Morris International4.5495.510.921.89
42SOSouthern Co.4.54153.46.518.47
5GMGeneral Motors4.332--3.98
61VZVerizon Communications4.3113.12.315.56
7OXYOccidental Petroleum4.251416.211.7N/A
8ABBVAbbVie4.08512.512.516.93
92PFEPfizer Inc.3.9477.712.332.61
10SPGSimon Property Group Inc3.75711.811.730.26
331CVXChevron Corp.3.67313.27.7N/A
4BABoeing Company3.6553113.623.7
4MOAltria Group Inc3.6468.610.625.42
5EMREmerson Electric Company3.42594.76.522.66
5CSCOCisco Systems3.41624.713.314.39
662KOThe Coca Cola Company3.37547.79.125.13
773IBMInternational Bus. Machines3.362114.115.913.52
884XOMExxon Mobil Corp.3.32346.67.842.18
9TGTTarget Corp.3.34913.715.712.85
1095CATCaterpillar Inc.3.32321.41090.21
10MRKMerck & Co.3.1862.33.130.07
6PGProcter & Gamble3.17604.1922.43
7MCDMcDonald's Corp.3.0641520.122.87
8WMTWal-Mart Stores2.894312.214.814.99
9JNJJohnson & Johnson2.77546.710.920.22
10MMM3M Company2.495720.58.722.52

連続増配年数については、15年以上を黄色で示しました。

また、増配率については、上位5つを青色で、下位5つを赤色で示しました。

PERについては、12月末時点のダウ平均のPERが約22%であったことから、22%を超えるものを赤色で示しました。


2017年版ダウの犬、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種で気になる銘柄


IBM

近年業績が冴えないIBMですが、このデータを見ると、連続増配年数は21年となっており、99年から16年の増配率が15.9%と上位5つに入っています。さらにPERもダウ平均以下であって、かなり魅力的な銘柄に思えます。

ちなみに、IBMは昨年バフェットが買い増した銘柄としても有名であり、昨年のリターンは20%となっています。

PM,ABBV

PM(Philip Morris)とABBV(AbbVie)は連続増配年数が15年未満となっていますが、それぞれMO(Altria Group)、ABT(Abbott Laboratories)という連続増配を続けている企業から分社化した企業であって、分社後増配を続けています。そのため、実質的に15年以上の増配を続けている企業といえます。

また、増配率も低くはなく、PERもダウ平均以下であり、魅力的な銘柄だと思っています。


今日のまとめ

  • 基本的にETFを中心にシーゲルの推奨するポートフォリオを目指していくが、マンネリ化防止のために個別株も検討する
  • 個別株を選択する際には、ダウの犬、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種を参考にする
  • 2017年に個別株で気になる銘柄は、IBM、PM、ABBVなど
2017年終了時のダウの犬戦略等のリターンです。



NISA口座でのETF等の現状です。


参考にしているシーゲル教授の書籍です。