トランプ政権の動向と今後の投資方針


今回は、私のワシントンD.C滞在記とトランプ大統領就任後の投資方針について述べたいと思います。


ワシントンD.C滞在



2月5日まで1週間ほど、仕事でワシントンD.Cに滞在していました。

私はアメリカ株への投資を行っていますが、恥ずかしながらアメリカへは学生時代にハワイに行ったことがあるだけで、アメリカ本土へは行ったことがありませんでした。

今回はわずか1週間の滞在でしたが、とてもいい経験ができましたし、今後は大手を振ってアメリカ株で長期投資を行っていると言うことができます笑

大学時に地元から離れた時にも感じたのですが、到着してまず目に入る動植物等の自然環境が日本のそれと全く異なります。自然環境が異なることで思想も異なり、異なる思想で街づくりが行われているので、居心地が悪いというわけではないのですが、街並みや建築物の外観、内装などにとても違和感があります。

少し話が脱線しますが、個人的には、この違和感は好奇心や人格形成に大きな影響を与えるものだと思っているので、私の子どもたちにもなるべく早めに経験させたいなと思っています。



今回の出張では色々な方と面会をしたのですが、仕事におけるチーム編成についても日本とは全く考え方が異なるなと感じました。

日本の場合は年功序列でチームが編成されており、そのチームで若者が発言できることは稀であって、発言できたとしてもそれが意思決定に反映されることは少ないと思います。

しかし、今回面会した方々については、チームのリーダーは日本と同様に年配の方が務めていますが、それを補佐しているのは20代、30代の若者でした。

このような編成であれば、経験を重ねた現実主義者のリーダーと勤勉で意欲のある理想主義的な若者とで議論を重ねて意思決定を行うことができます。

若者は議論を通して現実的なバランス感覚を身に着けていくでしょうし、リーダーも勤勉な若者と議論を行うために、常に学び続けなければならなくなると思います。

実際の仕事の状況は分かりませんが、このような意思決定を行うシステムもアメリカの強みの1つなのではないかと感じました。


トランプ大統領と株式市場



滞在中にトランプ大統領についての印象を聞いてみたところ、仕事で面会した方々は動向を見極めているとのことでした。一方で、タクシードライバーは乗った瞬間に「トランプの国へようこそ!俺はとても悲しいよ!」と話してくる方が数人いるなど、トランプ嫌いな方が多かった印象でした。ただ、サンプル数が少ないので、全体として賛成、反対どちらが多いのかということまでは分かりません。

日本で報道されているような反対デモについては、トランプ大統領が就任した1月20日から期間が空いていたせいか一切行われていませんでしたが、ニュースでは連日、移民政策に関する大統領令の効力が連邦裁判所によって停止されたことなどについて報道されていました。

この大統領令は株価にも大きな影響を与え、1月30日にはダウ平均株価が122ドル下落しました。

トランプ大統領は、その他にも大幅な減税を行うこと、公共事業を増加すること、金融規制を緩和することなどを述べており、関係する企業の株価が上下しています。

今後も様々な大統領令の発令やツイッターでの発言が予想され、これにより株価が乱高下することが考えられるので、今後の対応について考えを整理しました。


ミスター・マーケットとミスター・バリュー


このように今後の状況が読めない中にあって私が思い出したのは、チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」の一節です。少し長いですが、引用して紹介します。

株式市場というものを理解するには、まず「ミスター・マーケット」と「ミスターバリュー」という2人の登場人物を通して、マーケットそのものと、投資家としての自分の姿を正確にとらえればよい。
A
ミスター・マーケットは、とにかく面白いキャラクターなので、常に注目の的である。これに対してミスター・バリューは、気の毒にも無視されることが多い。やんちゃなミスター・マーケットは悪ふざけばかりしていて、ミスター・バリューのほうはせっせとまじめに働いているのに、これではとても不公平である。
A
ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』によれば、ミスター・マーケットは精神的に不安定で、感情的な行動を取りがちだ。有頂天になったかと思えば、落ち込んで絶望的な気分に浸ってしまう。とても気分屋なので、いつ気持ちがどちらに振れるかわからない。
A
彼はなんとかして自分のその時の気分に私たちを引きずり込み、売買をさせようとする。なるべく多くの取引をさせるために、頻繁に、時には激しく、価格を変える。いたずら好きのミスター・マーケットは、いつも投資家を翻弄する。予想外の収益や配当、インフレや政策変更などをちらつかせ、投資家の気を引こうとする。
A
手品師が私たちの注意をそらすために、様々な工夫を凝らすのと同様、ミスター・マーケットのいたずらも、投資家の目を本来の目的からそらせようとする。無責任なミスター・マーケットが踊りに夢中になっている間、ミスター・バリューは表情一つ変えない。彼の暮らす世界には感情や幻想の介入する余地はない。彼は夜も寝ずに財やサービスを生産し、分配し続ける。楽しい仕事ではないが、経済そのものを動かしている。
A
長期的には、ミスター・バリューはミスター・マーケットに必ず勝つ。ミスター・マーケットのどんないたずらもそう長くは続かない。ミスター・マーケットが楽観的な時も悲観的な時も、実体経済においては、財やサービスは普段どおり生産され流通する。長期投資で成功するには、ミスター・マーケットに惑わされずに、しっかりと自分の投資政策を堅持しなければならない。
このように、トランプ政権の動向により株式が乱高下したとしても、ミスター・マーケットに引きずり込まれないようにしたいと考えています。

実際、トランプ政権の誕生により株価が下がることを予想してそれに賭けた著名投資家ジョージ・ソロス氏は、トランプ氏当選後の株価の上昇により大きな損失を出しています。

長期投資を行う場合、平均回帰によって、ミスター・バリューはミスター・マーケットに必ず勝つのであって、淡々と自分の決めた投資方針を実行していくことが重要になります。私の場合は、シーゲル推奨ポートフォリオを目指してETF等の定期購入を淡々と行えば十分であり、それが重要だと思います。

ただ、トランプ大統領の間株価が下落し続けると、すでに購入した株について含み益が減少し含み損が出てくるなど、精神的にきつい状況になる場合もあると思います。その時は、「ミスター・マーケットの踊りも4年しか続かないはずだ。今は定期購入のために4年間のバーゲンセールが行われているのだ。」と考えて、精神的な安定を保ちつつ定期購入を続けていこうと思います。


今日のまとめ


シェイクシャックのハンバーガー

  • ワシントン出張は楽しかった。
  • トランプ政権の動きに惑わされることなく、シーゲル推奨ポートフォリオを目指してETF等の定期購入を続けていく。